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95%が森林の西粟倉村で、音楽をどう活かすか??という話。

95%が森林の西粟倉村で、音楽をどう活かすか❓という話。

人口1500人の、”上質な田舎“。
西粟倉村で取り組んできたことについてのお話です。

さて、皆さんにお伺いします。

 
 
西粟倉村(にしあわくらそん)がどこにあるか、分かるでしょうか。岡山県の方には知っていてほしい❗️

岡山の県北東端、兵庫と鳥取と県境を接する村です。ココですよー❗️

なんと、面積の約95%が山林です。
もう一度言います。人口は約1500人です。
しかしながら、村の特性を活かした村づくりを成功させており、学ぶべきところで溢れた非常に魅力的な村です。
自分たちで自分たちの村づくりを続けている西粟倉村は、林業を中心とした地域再生の成功モデルの1つとして、今まさに日本中から注目を集めているんです。
最近では、ローカルベンチャーの取り組みが首相のスピーチの中で紹介されたり、
にしあわくらほいくえんのグットデザイン賞
あわくらんどトイレがウッドデザイン賞受賞など、
次々と先進的な試みを進められています。

 

※参考にどうぞ
 

 

そんな西粟倉村の子供たちに、
音楽で私が出来る事はなんだろう。

 

その答えとして考えたことは、
音楽を入り口として自分の住む村の魅力を感じてもらい、
他の人に村の良いところをきちんと伝えることができるような、そんな大人になるきっかけを作りたい
ということです。
2018年は、
音楽地域学習フィールドワークを掛け合わせた企画、
NISHIAWAKULIVE!を実施しました。
8月から足しげく村にワークショップに伺い、
11月のステージに向けて、西粟倉村の子供たちにしかできない音楽の世界を創り上げようというものです。

 

この活動のゴールは、
“音楽を通し、
子供達が子供達自身で、
自分の村の良いところを発見すること”
西粟倉村教育委員会さんと一緒に取り組みました。

 

ただただ教科書に載っている音楽を練習したり、音楽を聴いたりするだけでは決して達成できないゴールです。
ただの音楽の授業みたいな事は、絶対にしたくありませんでした。

 

この西粟倉村の子供たちにしかできないものを作り上げることに大きな意味があります。
具体的にやることは、4つ。

 

 

①フィールドワークで、
西粟倉村の森林の音を撮りに行こう!

 

②森林の木や石を使って、
オリジナル楽器をつくろう!
 
③森林の生き物達を影絵にしよう!
 
④一緒に作った村ソング、
「森はともだち」を歌おう!
結構おもしろそうですよね✨私自身も楽しませていただきました✨

 

④の村ソング作りについては、2017年に取り組み完成していました。子供たちに村の良いところを俳句にしてもらい、歌詞を作り上げたものです。
その時の様子についてはこちらの動画で是非❗️ご覧いただけたら嬉しいです。
↓↓↓

 

 

さて、NISHIAWAKULIVE!にむけての活動スタートは、今年2018年の8月。
まずは子供たちと若杉天然林に向かい、音を探しに行きました。

 

Q.
水の近くではどんな音がするか?
木の近くではどんな音がするか?
石と石をぶつけるとどんな音がするか?
上の方を見上げるとどんな音が聞こえてくるか?

 

あらかじめみんなで考えていた疑問を、実際の森林の中で確かめていきます。
子供たちにとって、フィールドワークも遠足みたいなもの。
水筒を持って虫除けスプレーを塗って、、一緒に向かうミニバスの中もそれはそれは賑やかでした。
西粟倉村の若杉天然林は、分かりやすいイメージで例えるなら本当にもののけ姫の世界みたい。
きれいなキノコだって生えているし、その辺に生えているコケすらも色鮮やかで美しく、深呼吸したくなるような空気で溢れています。

西粟倉村に暮らす子供たちにとっては、身近すぎて当たり前にあるこの豊かな森林。

それこそが1番の魅力であることを、改めて肌で感じてほしいと思いました。
実際のフィールドワークの様子はこちら。いろんな場所にマイクを持っていって探検し、いろんな音をサンプリング。

持ち帰って、みんなで耳をすませながら録音した音を聞く様子を見るのは、なんたが嬉しいものでした。
録音が終わったら、別の日程に再び森林に向かいます。今度は森林の素材で、オリジナル楽器づくり。
必要な枝や石、木の実、葉っぱなどを探していきます。
こちらの木などはいい音がしそうですよね✨✨

同じようなサイズの木片や枝でも、乾き具合によって随分と音が違う事を、子供たちは色々と発見してくれたようです。

持ち帰ったら、工作して楽器にしていきます。
色塗ったりしても良いから、オリジナルの楽器を考えてみてね〜と言い残し、数週間後再び訪れてみると、、、
私の想像も超えたような面白い楽器がたくさんできていました!

 

自分の作った楽器だけではなく、他の友達が作った楽器がどんな音がするのかも興味を持って聞いてくれていた様子が嬉しかったです。

カンカンコンコンとみんなで鳴らします✨

山陽新聞さんにもカラーで大きく取り上げていただけました。
楽器作りの次は、影絵作り。
Q.
草むらにはどんな生き物がいるか?
水の近くにはどんな生き物がいるか?
森の奥にはどんな生き物がいるか?
それぞれ皆で答えを出していき、実際にその生き物たちを影絵にしていきます。
完成した影絵は、こちらの予想をはるかに上回る出来となりました。子どもたちのパワーって、本当にすごい✨❗️
草むらの生き物たちが動くときには、みんなで録音した草むらの音を。
水の生き物たちが動くときには、みんなで録音した水の音を。
音と動きで西粟倉村の森の世界を作っていきます✨
森林の音撮り、
オリジナル楽器作り、
生き物たちの影づくり、
これらを組み合わせて舞台をつくり、
迎えた本番NISHIAWAKULIVE❗️
みんな緊張しながらも、森の音やピアノの音に合わせて一生懸命動いてくれてました。

後から見るとこんな感じ。

実は一生懸命手を伸ばして頑張っていたんです。笑
もちろん最後には、村ソングを大合唱❗️本番の様子も新聞に取り上げていただけました。
私には、変えたいことがあります。
岡山の人たちに「岡山のどんなところが好きですか?」と聞くと、
かなりの確率で「岡山は何にもねぇけんなぁ」と答えが返ってきます。
ただ、そのように答える方のほとんどは、ずっと岡山に住んでいたり地元を離れていない方に多いような気がします。
自分の故郷の本当の魅力と言うものは、外から見てみないと意外と気づけません。
あるいは第三者に気付かされたり教えられたりして、初めて実感するものなのかもしれません。
私自身、岡山に住んでいた子供の頃や学生時代までは、岡山はなんにもないところだと思っていました。
でもそれは違います。
上京してやっと気付けました。
離れてやっと気付けました。
もしも小さな頃から自分の故郷の良いところや外から見た魅力、身の周りにある古い歴史、そんなものそんなことをもっともっと教わっていたら、
早くから身近にある魅力に気付けていたと思います。
しかしながらその魅力を知るきっかけが実体験に基づいたものであることがとても大切だ、と私は今考えています。
いくら本や教科書で教わっても、体験としての記憶に残らない限り、魅力を肌で実感するというステージには達せません。
音楽を通じて、故郷の魅力を知ると言う体験をしてもらい、魅力を言葉で伝えられる大人を育てていく。
音楽でできる1つの地域学習モデルを、西粟倉村教育委員会の方々と一緒にこうして実践できたことを、非常に嬉しく思っています。
日本全国各地、様々な地域で、このようなモデルを実施していきたいと言う構想もあります。
2018年は、音楽を通して地域にできる事はまだまだたくさんあると気付かされた年となりました。
自分の故郷をきちんと語れる人がどんどん増えていきますように。

私はこれからも、そのきっかけを音楽で作っていきます。

情景描写ピアニスト
山地真美

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