文化庁日本博コンサートへメイン出演
岡山シンフォニーホールにて開催された日本博コンサートの作曲・演奏・演出を担当いたしました。
2021年2月4日(木)夜、岡山シンフォニーホール大ホールにて、
岡山フィルハーモニック管弦楽団さんとの共演で【日本博】のコンサートにメイン出演させていただきました。コンサートでは情景描写音楽をオリジナルのピアノ協奏曲に編曲し、ドローン等の映像をたっぷり使用し演出させていただきました。
会場入り口から日本らしい世界観を感じていただきたく、様々な装飾でお出迎え。
たくさんの方が記念撮影等で楽しんでくださいました。
階段はコンサートの内容に沿って特別に装飾。
「鶴」や「鯉」も今回の音楽に大きく関わってくるもので、ストーリーの始まりを階段に登るところから感じていただけていたら嬉しく思います。
書道家の西崎亮さんに作品をご提供いただきました。
エントランスにてメッセージのこもった作品が展示されました。
ドライフラワーや植物を使ったホール内の装飾で、岡山の自然を体感いただきました。
program <第一部 >
岡山城と後楽園を巡って ピアノとオーケストラを中心に、音と映像とトークで楽しむ岡山の歴史探訪。
情景に心動かされる「五感の旅」へお連れします。
1 暁、時うつす蒼の水
2 生きる
3 紅の想い/蒼い約束
4 幻園の彩り
5 鶴は舞う
1.暁、時うつす蒼の水 作曲:山地真美 オーケストラ編曲:小松真理
一滴の水が波紋をつくり、穏やかな流れや勢いある流れを作っていくのと同じように、岡山城という場所から岡山の街が広がり、歴史の流れが生まれきました。 日は昇り令和の新時代へ。そんな壮大なドラマを感じてください。
2.生きる 作曲:山地真美 オーケストラ編曲:山地真美・小松真理
戦国時代の荒波を生き抜く岡山城主「宇喜多秀家」の決然とした強い想いをテーマに、うねるような音の流れや日本らしい独特のハーモニーで世界観を描きます。楽曲の中間部ではオーケストラがメロディを美しく歌い上げ、秀家がふるさと岡山を回想する場面を表現しています。
3.紅の想い 作曲:山地真美
宇喜多秀家の妻である豪姫から、夫の秀家への想いを描きます。関ヶ原の戦いで破れた秀家が島流しになることが決まったのち、2人で過ごした最後の数日間の切ない想いを描いています。楽曲の最後に高く響くピアノの音色は、今生の別れを受け入れたくない豪姫の、涙をこらえきれず溢れだした声をイメージしています。
3.蒼い約束 作曲:山地真美 秀家から豪姫への想いを描きます。静かに涙を流す様子から、幸せだったこれまでの時間を穏やかに2人で回想する様子へと音楽が流れていきます。月の光を眺めながら現実から離れた美しい世界で一緒に過ごすことを夢見るものの、時間の終わりを告げる「鐘」のような音が鳴り響き、秀家に再び悲しみに溢れた感情が込み上げてきます。最後に流す秀家の一粒の涙で、幸せな時間は儚く消えていきます。
4.幻園の彩り 作曲:山地真美 弦楽五重奏編曲:小松真理
時代を超えても美しいものを美しいと感じる心は変わらない。輝く光、赤や黄色に染まった紅葉、水面の揺らめき。夜の後楽園で静かな庭園をみていると、どこからか「詩」が聞こえてくる気がします。そんな故人のいにしえの詩に思いを寄せて、弦楽器五重奏とピアノの響きを感じてください。
5.鶴は舞う 作曲:山地真美 オーケストラ編曲:山地真美・小松真理
日本三名園のひとつ、後楽園。元旦の後楽園では、美しい鶴が舞います。 一月から四月にかけては、一年の内で鶴の姿が最も美しくなる季節。頭の赤色が濃くなり、羽も艶やかになります。目の前で美しく羽ばたき空を舞うその姿に、華やかな一年の幕開けを感じてください。カンヌ国際映画祭作品「ORIGAMI」メインテーマ曲。
program <第二部 > 日本遺産の旅
「桃太郎伝説が生まれたまち おかやま」 吉備津彦と温羅の物語を、全編オリジナルの音楽と英語による語りでお届けします。
「吉備津彦と温羅」 原作 阿村礼子(「浅野温子 よみ語り」より)
語り手:Christopher J. Creighton Jane O’ Halloran
演出:みやもとたかひろ 劇中作画:おちたけみち
オープニング及びエンディングテーマ曲 光華光源
( 作曲:山地真美 オーケストラ編曲:小松真理)
この世の万物を創り出した太陽が生み出す光は、時に全ての生命を包み込む偉大さとエネルギーを感じさせてくれます。吉備津彦命が眠っているとされる吉備中山に足を踏み入れると、自然の生命たちが太古の物語をかたりかけてきます。そこから望む太陽の光は、神々しい光と共に「伝説」が「今」に繋がっていることを示してくれています。
岡山を代表するオーケストラ、岡山フィルハーモニック管弦楽団さんと共に、岡山の歴史や美しい情景をテーマに音楽で表現させていただけたことに喜びを感じ、今後このような「地域独自」「日本独自」の音楽表現が全国各地で展開されるようになったらいいなという目標もできました。
日本の情景や文化や歴史が100年後の未来に伝わるよう、世界各国に伝わるよう、音楽でできることを発信し続けていきます。
山地真美