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早島中学校にてオリジナル吹奏楽曲制作ワークショップ実施

早島中学校[岡山]にて、地元の魅力を詰め込んだ吹奏楽曲の制作ワークショップを実施いたしました。

「コロナ禍中でもできる音楽活動とは?」

こんなテーマにチャレンジすべく、早島町立早島中学校(岡山県)の生徒さん達と一緒にオリジナルの吹奏楽曲制作にとり組みました。
一種の「制作活動」を体験したもらう過程で、自分達のふるさとの魅力を改めて感じたり、ここで今を生きている自分たちへの肯定感を感じてもらったり、演奏するだけにとどまらない音楽の可能性を感じてもらえたりしたらいいなという想いで取り組ませていただきました。

 

ワークショップ1回目

楽曲のテーマを探していきます。「早島町で感じた、心に残った瞬間・情景」を自分自身に問いかけ、イラストを描くことで表現するというワークショップ。
音楽は一種の表現活動ですが、色を使って絵を描く行為に共通するものがあると思います。今回イラストで表現したことを、今度は音楽で表現する。その過程を感じてもらうことで、今後の音楽表現活動にも活きてくるものがあるかと思います。

全体を4チームに分け、「春・夏・秋・冬」それぞれの「早島町で感じた、心に残った瞬間・情景」を一枚の模造紙にまとめてもらいます。
ワークショップは完全リモートで行い、各チームは各教室で作業し、オンラインで作品を発表してくれました。

春チームの「心に残った情景」
・早島公園の桜で友達と過ごしたこと
・道端の花に心癒されたこと
・自転車を漕いでいる時に風を感じて、花をみて季節に気づいたこと
・晴れた青空で早島公園で暖かい日差しの中過ごしたこと

春の訪れを感じた瞬間の喜び、風、青空、カラフルな春の花、など春ならではの色合いや「明るさ」が情報としてたくさんアウトプットされました。

夏チームの「心に残った瞬間」
・夏祭りの帰り道、一人で帰宅する途中の山の中。ヒグラシが鳴いていて、遠くで太鼓の音がしていたこと
・吹奏楽の部活の帰り道、遠くで花火が上がったこと
・家族で花火をして楽しかったこと
・お祭りの準備をしたこと
・夜の星が綺麗だったこと

「音」や「光」、特に夏の夜の思い出がたくさんアウトプットされました。

秋チームの「心に残った瞬間」
・コロナでなかなかいつの通りに活動できなかったけど、今年の合唱はその分いつもより絆が生まれた。
いつもよりも団結できた。歌っている瞬間がとても嬉しかった。

2020年ならではの想い、「団結して強くなっていく」という自分たちの成長がアウトプットされました。

冬チームの「心に残った瞬間」
・コロナで出かけたりできなかったけど、その分家族と時間を過ごせた
・お正月にみんなでお餅を食べた
・猫がコタツに入ってきて仲良く過ごした
・雪だるまをみんなで作った

コロナは流行した時期ではあったけど、寒い時期と相反して「人とのつながりで感じるあたたかさ」が沢山アウトプットされました。

オンラインでの発表を終え、早島の四季の思い出・情景をテーマに曲をまとめていきます。

ワークショップ2回目

イラストで出たヒントを元に楽曲の大枠を制作し、楽器構成を考えてもらいます。
・春の軽やかさを表現するこのメロディは、何の楽器が良い?
・夏の祭りの太鼓を音楽で表現するには?
・穏やかなこの場面では何の楽器の音色が合いそう?

など、意見やアイデアをチームごとにオンラインで発表してもらい、楽曲の編曲に反映させていきます。

 

ワークショップ3回目

部活動の中で編曲した楽譜を元に練習してもらい、撮影とレコーディングをしていきます。
練習する楽譜には「強弱」や「アーティキュレーション」などの具体的な奏法については指示を出しておらず、生徒の皆さんと先生で考えて音楽を作ってくださいました。

●野外で演奏の撮影
校庭に楽器を運んで、野外でのびのびと演奏する様子をドローンで撮影していきます。
およそ4回程度曲を演奏してもらい、その様子を各方面から何度も撮影を重ねていきます。

 

●音楽室にてレコーディング
部活動の限られた時間内で集中して練習を重ね、3回のテイクをレコーディング。最もよい演奏ができた最終テイクを動画内で採用することとなりました。

 

編集、そして完成!
演奏動画を以下からご覧ください。

“SCENERY”
春の小さな訪れを感じて季節が広がっていく様子、自転車で青空を駆け抜けながら桜や道端の花に心が明るくなる様子、夏の夜の太鼓のリズムや、星や花火の「光」を、移り変わる様々な楽器の音色で表現。
そして少し切ない「秋」のテーマへ。コロナ禍でも乗り越えた自分たちの思い出をのせて、再び明るく未来につながる願いを込めた「秋」のテーマが再現される。人々の掛け合いの声が聞こえる冬、最後は少し春のリズムやハーモニーが現れ、四季が巡っていく。

「こんな世の中だからこそ、今の自分たちのメッセージを音楽にして未来に届けたい。」

こんな想いに共感される方がいましたらお問い合わせください。
今の自分の生きている地域を好きになり、自分を好きになり、想いを表現できる活動として、全国の吹奏楽部と一緒に本モデルを広げていけたらいいなと感じております。

情景描写ピアニスト
山地真美

 

助成/福武教育文化振興財団