日本全国周遊記 雪山の頂上にピアノを担いで登った日 2021.4.29 今回は、長野県の阿智村というところにある「富士見台高原」での浮世音撮影ロケの裏側をご紹介します。 たくさんの浮世音作品を撮影しておりますが、今回の富士見台高原でのロケは間違いなくベスト3に入るくらい過酷で、それでいて息を飲むほど美しい情景に圧倒されたロケとなりました。 なぜ過酷だったのかと言いますと、「初めての雪山」で「ピアノを背負って」「山頂まで登る」という全ての要素が揃った撮影だったからです。 岡山生まれの私にとって雪景色はとても珍しく、ピアノを背負って歩くのはいいけど登山は大変! 滑りやすい雪山なうえに、山頂までは風も吹いて過酷! 登山初心者なので全てが新鮮でした。 その裏側をせっかくなのでブログにしておこうと思います。 機材を乗せた車で高速道路を走っていると、山々が見えてきました。 「アルプス」という表現がぴったりの長野の山です。 岐阜県の中津川インターを降りて向かいます。 今回のロケ地である富士見台高原は、標高1,739m、中央アルプスの南端です。 地図でいうと岐阜県と長野県のちょうど境目のあたりに位置しています。 山頂では、恵那山、北アルプス、南アルプス、中央アルプスを見渡す壮大な360°のパノラマが待ち受けています! 色々と調べた情報で面白い話が出てきました。 「富士見台」といっても富士山が見えるわけではなく、参拝者の願望からその名が付いたそうなんです。 富士山見たい→富士見たい→富士見台 といった変化だそうですよ。とても興味深いですね! 高速道路を降りて、山道を車で登っていきます。 まだ固まる前の新雪のサラサラした様子、うっすらと木々に積もって絵本の中のような幻想的な世界が広がっていました。 今回一緒に高原を登って案内してくれるワンちゃんです。(ちいちゃんと言います。) 真っ白な雪に足跡つけて楽しそうでした。 これからピアノを背負い、ピアノスタンドやドローンを背負い、気合を入れて雪道を登っていきます。 山頂までは1.1㎞ということですが、雪×傾斜×荷物で遠い道のりに感じます。 しかしながら、美しすぎる景色にずっと感動していました。 空の青さも今日はより一層澄んでいます。 木の枝に残っている雪はふわふわで、まだ溶けていません。 思わず絵に描きたくなるような、そんな景色です。 日本の情景なのにヨーロッパの名画を思い出したのは、ここがアルプスだからでしょうか。 こんなに綺麗な真っ白の木々にも出会いました。 ちょっと揺らすだけて雪がハラハラと落ちていきそうです。 まるで粉砂糖をかけたみたいでした。 人の手が入っていない自然が作り出す景観には、本当に驚かされます。 そしてやっとついにたどり着いた山頂のポイント。 山頂の景色は、私が今まで目にしたものと違う初めての景色でした。 ここで目にした山々は、私が今まで目にしてきた山と違いました。ずっと遠くまで連なっていて、自然のスケールの大きさにただただ圧倒されていました。 笹で覆われた緑の丘に雲の影が写っていて、その動きが目に見えたことで風を目で感じました。 この場所でまさに感動した想いを、そのままメインのメロディにしていきます。 ドローンの撮影が始まるまでの間に、曲のイメージを作っていきます。 ワンちゃんも見守ってくれています。 手が凍ってなかなか動きませんが、壮大な景色やキラキラした雪を見て音楽イメージが広がりました。 撮影中、手元が映らない時は手袋をはめて弾いたりしています。 頭の中でできている細かな音まで指が回らず今回はとても苦労しました。 サラサラした真っ白な雪が積もった朝。風に揺れて木々の葉っぱがカサカサと音を立てていく。 陽の光を浴びて地面がキラキラ光る様子はガラスみたいで、時間帯や角度によって色を変えていく。 その様子に感動しながら頂上にたどり着くと、先が見えないほどのアルプスの山々が360°に連なって広がっている。 頂上で感じた氷のような強風は自然の厳しさを感じさせ、目の前に広がる幻想的で壮大な景観が奇跡の上に生まれたものなのだと実感する。 そこで感じた爽快感は人生で初めて味わった感覚だった。 撮影の数十分後には風が強くなりドローン飛行ができなくなるレベルでした。 山頂の天気は変わりやすい中、雪が降った翌朝のこれだけ美しい景色を撮影できたのは奇跡のようなことだったと思います。 さて、旅の気分を味わっていただいたところで、浮世音本編の作品をご覧ください! Tweet Share 奈良井宿のとあるお婆ちゃんの言葉 阿蘇の伝説を辿って大規模な作品作り! 関連記事 福島県 磐梯山のジオパークを旅する!浮世音ロケドキュメンタリーと本編! 「人は変われる。ちょっとした経験で」 阿蘇の伝説を辿って大規模な作品作り!